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「JR北の事故<戦後の負の遺産のつけ」
JR北海道の脱線事故は多少なりとも鉄道について知っている人にとっては全く信じられない事故だった。
一寸その報道を
<以下引用>
菅長官、JR北に「組織、体質の問題で極めて悪質」
産経新聞2013/09/24 12:30
菅義偉官房長官は24日午前の記者会見で、JR北海道がレール幅の異常を放置していた問題について「極めて悪質だ。個別の事故のミスだけでなく、組織、体質的な問題もあるのではないか」と厳しく批判した。
菅氏は同日午前、官邸で国土交通省の瀧口敬二鉄道局長らから一連の問題の報告を受け、徹底した特別保安監査を行うよう指示した。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/686186/
<これは北海道新聞の記事>
JR北海道のレール幅異常放置 責任者「理由全く分からぬ」 合理化で疲弊の声も(09/22 10:57、09/22 11:01 更新)記者会見で頭を下げるJR北海道の工務部の笠島雅之部長(左)と奥芝義人副部長=21日午後4時ごろ、JR北海道本社
渡島管内七飯町のJR函館線大沼駅構内で起きた貨物列車脱線事故をめぐり、JR北海道は現場付近のレール幅が許容値を超えていたのに約1年間放置していたことが21日明らかになった。安全運行が使命の鉄道事業者にとって、その資格を問われる深刻な事態だが、なぜ放置されたのかなど基本的な事実の把握はできていない。2011年の石勝線特急脱線炎上事故から続くトラブルや不祥事が、組織の屋台骨を揺るがしている。
「なぜ放置されていたのか全く分からない」「まだ現場の聴取ができていない」
21日夕、JR北海道本社で行われた記者会見。レールを管理する保線部門の責任者、笠島雅之工務部長は繰り返した。補修が必要な状態だったレールは昨年10月から手付かずのままだったが、その理由の明確な説明はなかった。
レール幅の許容値超過が分かったのは、当初「今年6月」としていた。ところが、約2時間の会見の終了間際、実は昨年10月だったと明かした。信頼回復に向けて情報開示しようという姿勢は見えなかった。
長年続く合理化で現場の疲弊を指摘する声も。30年以上勤務するベテラン社員は「人員の削減が進み、必要な保線作業が行き届いていない。寝ている乗客が起きるほど揺れる箇所もある」と明かす。
石勝線事故を教訓に、JRが昨年11月にまとめた安全基本計画。その冒頭には、安全風土のための七つの文化の一番目として「規律を守ること」が掲げられている。乗客の命を預かる鉄道会社として、組織再生を図るため7千人の全社員が胸に刻んだはずだった。だが、今回の事故は、その精神が共有されていないことを浮き彫りにした。<北海道新聞9月22日朝刊掲載>
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/493295.html
<引用終り>
この話、今回の事故だけ見ていても実情は見えてこない。
実はJR北海道は2011年に深刻なトンネル内事故を起こし、安全計画を公表している
その2011年9月16日付「安全性向上のための行動計画」は以下参照ください。
http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/safe/pdf/report201109_02.pdf
これに基づき2012年11月14日付「安全基本計画概要」を発表している。
http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/safe/pdf/121114-2.pdf
しかしこの「安全性向上のための行動計画」公表の直前の2011年9月12日、JR北海道の中島社長は遺書を残して行方不明となり、行動計画公表後の18日遺体で発見された。
実に痛ましい話である。合掌。
しかしこの話はさらにさかのぼる。
その前年の2010年4月9日、当時政権を盗った民主党・社民党・国民新党および公明党が国鉄分割民営化で新生JRが雇用しなかった1047名について解決に乗り出し、結局一人平均2200万円、総額199億円を支払って和解してしまった。
当時各マスゴミは「ごね得」と批判したもののそのまま。
そして中島社長は再雇用反対の急先鋒だったのである。
こうして見てみると今回のJR北海道の信じられない事故。
これは1987年の国鉄分割民営化から続いている問題、いや戦後ずっと起こった国鉄がらみの様々な奇妙な事故。そして業務妨害や順法闘争などの迷惑行為。こんなモノから連綿と続いている話なのだと分かる。
もう一つ、上掲北海道新聞が取り上げた安全風土のための七つの文化の一番目として「規律を守ること」について。
この7つの文化とはこんなモノ。
①規律を守ること ②学ぶこと ③感じ取ること ④報告すること ⑤議論すること ⑥考動すること ⑦柔軟であること こんなモノである。
抽象的でさっぱり分からないが、JR北海道が一生懸命考えた末なのであろう。
戦後まもないころからの負の遺産がしこたま詰まっている。そう思えるのは私一人では有るまい。
JR北海道だけでなくJR全体で戦後の負の遺産を大掃除せねばいけない、それでなければこのような「業務のサボタージュ」は無くならないと思える。